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実績紹介

「君と、未来を描きたい。」
―人とロボットが共に生きる時代を、万博の会場から発信する―

EXPO 2025 大阪・関西万博 未来づくりロボットWEEK

EXPO 2025 大阪・関西万博 未来づくりロボットWEEK

2025年7月、大阪・関西万博の会場内EXPOメッセ「WASSE」にて開催された「未来づくりロボットWEEK」(FCR)は、経済産業省・日本ロボット工業会・日刊工業新聞社ほかで構成される実行委員会が主催する、ロボット産業の普及・啓蒙を目的とした体験型イベントです。
私たちは、実施基本計画の立案段階から、イベントコンセプトの策定、広報ビジュアルの開発、2,000㎡の会場全体の空間設計、各展示ゾーンのコンテンツ制作まで、プロジェクト全体を一貫して担当しました。

イベントの核心に据えたのは「人が創造する未来と、人が紡ぐ技術と社会」という思想です。ロボットは技術の塊である以前に、それを生み出した人の営みの結晶である——そうした視点から、展示コンセプトを「技術と人が繋ぐ、未来への期待」、展示テーマを「人とロボットが共に生きる時代」と定め、来場者が単に最先端技術を"見る"のではなく、ロボット産業と自分自身の未来を"自分ごと"として捉えられる空間を目指しました。ターゲットは高校生・高専生・大学生を主軸とした次世代層。万博パビリオンやBtoB展示会との差別化を意識し、知識の伝達ではなく感情と共感を起点とした体験設計を基本方針としています。

空間は「プロローグ(課題と可能性)」「ダイアローグ(体験と理解)」「エピローグ(共感と行動)」の三部構成でゾーニングしました。入口のプロローグエリアでは、2040年問題や2050年の労働力不足といった社会課題を、産総研インダストリアルCPS研究センター長・谷川民生先生の監修のもと制作したアニメーション映像で視覚的に提示。ロボット研究者キャラクター「TANIKAWA先生」がインフォグラフィックを交えながらコミカルに語りかける構成とし、来場者の興味関心を引きながらダイアローグエリアへと誘導する機能を担っています。

メインとなるダイアローグエリアは、川崎重工業・ファナック・安川電機・トヨタ自動車・THKほか国内を代表するロボット関連企業14社の実機を展示する、約1,000㎡規模の体験型展示空間です。展示の根幹となるゾーニングテーマは、谷川先生との意見交換を重ねて「ロボット活用が仕事の未来を変える」「人の技をロボットがマスターする日」「ロボットと人のコミュニケーションはうまくいくか」の3軸に整理。各社のロボットを単なるメーカーの枠を超えてテーマ別に再配置することで、来場者が製品ではなくロボットの社会的役割と可能性を体感できる構造としました。各コーナーは「疑問(問題提起)→発見(ロボット体験・実演)→理解(コラム)」という展示ストーリーの流れで統一し、技術者へのインタビュー取材を元に制作したキャッチコピーと解説パネルを組み合わせることで、製品に人の物語を重ねた展示演出を実現しています。

広報・ビジュアルコミュニケーションにおいては、ターゲット世代が感情移入できるオリジナルキャラクター「ミサキ(17歳・機械工学の専門学科に通う高校2年生)」を設定。将来に漠然とした不安を抱えながらもものづくりへの興味を持つ等身大の人物像をキャラクターに落とし込み、「君と、未来を描きたい。」というキャッチコピーとともにキービジュアルを開発しました。このビジュアルを起点に、FCRを訪れた体験を通じて迷いが晴れ前へ踏み出す決意が固まる様子を描いたティザーアニメーションムービーを制作。アニメーションならではの心理描写を活かし、学生層が当事者意識を持って参加したいと感じられる映像訴求を行いました。また、イベント特設Webサイトの構築、JR主要駅や大阪メトロ中央線での交通広告、InstagramおよびXでのSNS運用、CHERSI(経済産業省未来ロボティクスエンジニア育成協議会)加盟の高専・工業高校との連携、さらに学生レポーターを起用した企業取材コンテンツの発信など、媒体横断的なコミュニケーション施策を展開し、イベントブランドの認知度向上を図りました。

7日間の会期中、総来場者数は26,760人を記録。「ロボットが職場の同僚になることへの賛成」がアンケート回答者の80%を占め、「今回のイベントでロボット技術への関心が高まった」という回答は91%(非常に高まった72%・ある程度高まった19%)に達しました。また来場者の67%が「ロボット分野でのキャリアに興味を持った」と回答しており、産業の次世代担い手となる若年層への浸透という点で、明確な成果を残すことができました。日刊工業新聞・テレビ大阪・BSよしもと・トヨタイムズ・Impress Watchほか多数のメディアにも取り上げられ、万博会場を舞台に日本のロボット産業の魅力と共創社会のビジョンを広く発信するプロジェクトとなりました。

Date
  • 2025年7月

Role
  • イベント企画

  • 取材・調査

  • 空間デザイン設計

  • ビジュアルコミュニケーション設計

  • コンテンツ制作

  • グラフィックデザイン

  • サイン計画

Credit
  • クライアント

    未来づくりロボットWEEK実行委員会(経済産業省・日本ロボット工業会・日刊工業新聞社)

  • 監修

    谷川 民生(産総研インダストリアルCPS研究センター長)

  • 企画・プロデュース

    榎本 光考(昭栄美術)

  • クリエイティブ統括

    塙 崇之

  • 展示プランニング

    長坂 光恵

  • 取材・ライティング

    山口 剛(講志社)

  • デザイン

    岡森 真実 / 塙 崇之 /小林 嘉寿也

  • グラフィックデザイン

    佐藤 美和子 / 塙 崇之

  • 映像制作デザイン

    伊藤 祐樹(右脳事件)

  • アニメーション制作

    岡田 浩亮(CLIPS)

  • イラストレーション

    渡辺 コージ / 佐藤 美和子

  • 制作

    杉岡 晃輔 / 林田 裕介(昭栄美術)

  • 設計

    株式会社昭栄美術 / 岡森 真実

  • 施工

    株式会社昭栄美術

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