わたしの内にひそむ生命の設計図にふれる。
JT生命誌研究館 DNA展示コーナー
JT生命誌研究館におけるDNA展示の刷新では、情報を更新するだけではなく、展示そのものの体験構造を根本から見直しました。目指したのは、DNAを単なる生物学的な知識として伝えるのではなく、来場者一人ひとりが“自分という存在の根源”として感じ取れる場へと再構築することです。
空間の核となったのは、生命の連なりや躍動を想起させる有機的な壁面造形と、象徴的に立ち上がるDNA螺旋のオブジェです。空間に足を踏み入れた瞬間に視線を引き込み、展示への期待を自然に高めながら、生命の持つ秩序と神秘を空間全体で感じさせる構成としました。さらに、人の動きに呼応するインタラクティブな仕掛けを組み込むことで、鑑賞する展示から、身体を通して理解へ向かう展示へと転換しています。
複雑で目に見えないミクロの世界は、没入型映像、ハンズオン展示、映像解説を重ねることで、概念ではなく“体感”として届くレベルへと翻訳しました。DNAのかたちや働きといった基礎的な性質を、能動的なアクションを通じて直感的に捉えられるように設計することで、知識の理解にとどまらず、生命への関心そのものを引き出す体験を目指しています。
知性に語りかける情報性と、感性を揺さぶる空間性。その両方を丁寧に重ね合わせることで、子どもたちの探求心をやさしく刺激しながら、大人にとってもあらためて“生きていること”の不思議に立ち返ることのできる、新たな学びの風景を創出しました。
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2025年12月
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展示企画
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デザイン
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設計
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グラフィックデザイン
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クライアント
株式会社 生命誌研究館
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クリエイティブディレクション
塙 崇之 / 上柳 将樹
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デザイン
小林 嘉寿也
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設計
上柳 将樹 / 岡森 真実
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制作
花登 一史 / 吉澤 夏子
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施工
デコラティブシステム株式会社
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撮影
土田 紘